遊び を せん と や 生まれ けむ 意味
- michael532burchett
- Oct 3, 2022
- 4 min read
遊びをせんとや生まれけむ ちょっと基礎的な事を解説しておくと、梁塵秘抄は「今様」と言う、現代で言えば流行歌を集めた歌集です。 編纂させたのは、「後白河院」(1127-1192)。 天皇になり、さらに後に院政をひいてからは、政治の渦中の人だったけど、若い頃は気楽な立場で、歌やら学問やらいろいろ遊びやらで暮らしたらしいと伝えられている。 仏教に熱心な一方で、文学・芸術にも力をいれ、笛を吹いたり、謡ったり、非常に多才な人だった。 【編集長】 笛吹くやつって、脳天気と言うか、気が多いと言うか、才能あるけど、気まぐれな人が多いけど。 そんな人? 【よもぎちゃん】 誰かと混ぜないでよ。 で、「梁塵秘抄」ってどう言う意味。 「梁(はり)に塵(ちり)」がどうのこうのって、汚い名前だけど。 (蛇足・補足)編集長は笛吹が趣味です。 ・・ 【なと氏】 ・・・でなくて、これは古代中国に虞公と韓娥という美声の持ち主が歌うと、あまりの響きに梁の上の塵が舞いたったという故事にちなんでいる。 歌集の最初にこの事は書いてある。 さて、今日の歌はどう解釈する? 【よもぎちゃんの解釈】 「子供は遊ぶために生まれてくる。 子供の遊びをみていると楽しくなるね。 」という意味でしょ。 現代訳してみたぞ~。 遊びのために生まれたぞ いたずらするために生まれたぞ 悪ガキどもの声きけば おいらも一緒に暴れ出す よもぎ作 【なと氏】 ・・・・・まあ、過激な解釈だけど、あたっていない事もない。 よもぎちゃんは「じゃりんこチエ」風だからな。 まあ、確かに、こういう解説をする学者もいる。 【口語訳1】 私たちは遊びをしようとしてこの世に生まれてきたのだろうか?それとも戯れをしようとしてこの世に生まれてきたのだろうか?無心に遊んでいる子供たちの声を聞いていると、自分の体も自然と動き出すように思われる。 小学館版「日本古典文学集」より 【編集長】 もっと暗い歌だとも聞いたけど。 なんだか風俗営業の女達が、我が身を悲しんでいる歌だとか。 まあ、今の演歌みたいな感じだとか。 【なとさん】 そう言う解釈もある。 確かにこの頃の「遊び」という言葉には、そのような意味合いが強く、梁塵秘抄にはそのような境遇の歌も集められているから、正統な解釈と言えなくもない。 次のような解釈だ。 【口語訳2】 私は、このように「遊女」として遊び戯れるために生まれてきたのだろうか?今、部屋外の路地あたりから聞こえてくる無心な子供たちの声を聞いていると、私の境遇や過ぎ来し方が、悔恨を伴って身を震わせることだ。 【よもぎ】 どっちなの。 これじゃ、童話と、ネオン街のおねえさん達の演歌との違いがあるはね。 【なとさん】 実は、今の所、どちらでも解釈できてしまう。 文献をどうこう調べても、ちょっと推定する手だてがない。 だいたい、この歌集は、今で言えば、賛美歌から演歌まで何でも掲載されてる、「なんでも歌集」で、仏教の教えの歌から、博打の歌まで、ごちゃまぜなのだ。 だから本当の解釈は良く分からない。 今の所、「好きなように解釈してください。 しかし、ふたりとも解釈過剰。 古典と言うのは、現代の感覚で解釈するのは危険な場合が多い。 この時代の、人々の暮らしや、風物、心情などを緻密に考証する必要がある。 ただ、この時代に正当な解釈をしようとすると、人々の暮らしについては実に史料がなくてね。 逆に、この梁塵秘抄や「今鏡」などの中にしかよりどころのない庶民の様子も少なくない。 梁塵秘抄を「歴史の裏街道に咲く雑草」なんて言う研究者もいる。 【よもぎちゃん】...
遊びをせんとや生れけむ
仏は常にいませども、現(うつつ)ならぬぞあわれなる、人の音せぬ暁に、ほのかに夢に見え給ふ。 のような法文歌である。 また、神社への道行や、風景を歌ったものも多い。 口伝集 [ ] 口伝集は各ジャンルの歌に関して書きつづったものだと考えられている。 現存するのは巻第一のほんのわずかと、巻第十、それに巻第十一から第十四のみである。 巻第十一から巻第十四には、実際の歌い方が書かれている。 しかし歌い方の伝承は絶え、現在解読は困難である。 佐佐木信綱によれば、これらは後白河法皇自らの撰によるものではないという。 のちに一つにされ「口伝集巻第十一」以下の題名を付けられたと考えられていない。 もしこれが『梁塵秘抄』に加わるとすれば、総数は20巻以上となり、『本朝書籍目録』の記述に矛盾する。 現在発行されている古典全集の多くは、巻第十一以降を省き、口伝集の巻第一と巻第十のみを収めている。 巻第十一以降を見ることができるのは、一般的には岩波文庫版だけである。 各巻の内容 [ ] 本編 [ ] 巻第一 [ ] 21首のみ残る。 巻第二 [ ] 54
Comments